「夢」という本

作者にとって、その日常は現実のものだったはずだ。

なのに、どうして「夢」だったのだろうか。


人は、場所や環境に応じて、考え方や行動を変えて、生きていく。

この作者もパラドックスに足を踏み入れた  いや、投げ込まれたと言った方がいいのかもしれない。

だがそれは、ずっと後になって気づくことで、気づくのが遅ければ遅いほど、目に見えた世界だけで生きた時間は、現実でありながら現実とかけ離れたものになる。

では、作者の目には何が見えていたのだろうか。

そして、何に気づいたのかー


その大どんでん返しは、書き終わった後に起こった。

作者は、知り合いの一言で、事態を把握したのだ。

「似ている場所があるよ。」

それは京都と滋賀の間に位置していた。

「確かに距離感がここに近いんだ。」


作者は急いでペンを取り、本のタイトルを「夢」とした。


後日談になるが、本人は確かに江戸にいたのだと言う。

では、滋賀をその場所と思っていたことに疑問が残る。

しかし、一つだけその謎を解き明かす鍵が残されていた。

薬を井戸に投げ込んだなどの記述が当時の書の中にある。

外部から入ってきた者たちが、手あたり次第井戸に薬を投げ込んだ。

それは赤い紙に包まれていたという。

その後、皆意識を失くしていったのだと___。

眠らされていた?

その間に運ばれたということなのだろうか――――?




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